面接で自己PRを聞き手にわかりやすく構築するためのSTARフレームワーク
こんにちは。しんです。
元楽天で、コンサルとLAの2社から無事に内定をゲット。
もともとは、採用する側でたくさんの人を面接してきました。
話の上手い人、下手な人、いろんな人がいました。
いざ自分が面接に挑むとなった際に、上手に話せると思ってました。
でも、それは過信でした。
何度かIT関連の企業の面接を受けましたが、上手に話を組み立てられず、面接の後に、もっとこういう風な伝え方をすればよかったと反省することが多々ありました。
そんな折に、お世話になっている外国人リクルーターから、STARメソッドを紹介され、面接前に英作文をしておくようにとの指示を受けました。
それまで我流で、面接スキルアップが伸び悩んでいましたが、STARメソッドにのっとって練習をしたところ、話の組み立て方、またアピールするべきポイントの埋め込み方が、格段に上手になりました。
年収は、前年収から1.5倍アップの1200万円以上になったので、面接で適切に自己アピールができたのだと思います。
この記事では、そのSTARメソッドについて紹介していきたいともいます。
目次
STARフレームワークとは?
STARフレームワークとは、
・S(Situation:状況)
・T(Task:課題)
・A(Action:行動)
・R(Result:結果)
の頭文字を繋げたものです。求職者が過去に経験した具体的なシチュエーション、課題の中で、実際にとった行動、そしてその結果を明確にする事ができるフレームワークです。
例えば面接官から、
過去に達成した、一番の成功事例(プロジェクト)を教えてください。
と聞かれたら、あなたは即座に2〜3分で魅力的なストーリーを語ることができますか?
私はできませんでした。
正確にいうと、回答の質にムラがありました。
しかし、STARフレームワークに沿って回答の練習を行うことで、回答の質を向上させることができました。
STARフレームワークが使える理由
企業はベストマッチな人材が欲しい
STARフレームワークとは、もともと企業側が候補者を正しく見極めるために発達させた行動面接という面接手法に対して、魅力的に回答するためのメソッドです。
特に外資系の企業では「Hire the best」という言葉が、リーダーシッププリンシパルの中にあります。
文字通り、ベストな人材を選択しましょうという意味です。
外資系企業では、ヘッドカウントが厳密に定められているため、採用には細心の注意を払います。
リークルートエージェンシーを通じた人材紹介の場合、採用が決まった場合に、企業はエージェンシーに採用者の年収の30%〜50%相当を手数料として支払います。
採用者の年収が1000万円なら、300万〜500万円がエージェンシーの懐に入ります。
採用のミスマッチのせいで、採用者が1年で辞めてしまおうものならそのお金を捨てることになります。○ヶ月以内に辞めた場合は報酬返金という返金規定もありますが、面接に費やした時間は返ってはきません。
これが、面接をする側にとっては、限られた時間で、応募者のコンピテンシーやマインドセットをできるだけ正確に把握したい理由です。
では、どうしたらミスマッチが防げるのか?
ミスマッチを防ぐための行動面接
その回答が行動面接です。
英語では「Behavioral Interviews」と言われており、GAFAをはじめとした外資系企業では、有用な面接手法として採用されています。
行動面接とは、応募者が、過去に直面した課題や状況の中で、どのような行動をとり、どのような結果に至ったかを、紐解いていく面接です。
実際に起きた過去の事象に基づいて、応募者のコンピテンシーやマインドセットを把握していくという手法のため、嘘がつきにくく、応募者のことを正確に観察することができます。
行動面接に対するベストプラクティスがSTARフレームワーク
行動面接に対して適切に自己アピールを埋め込み、話を組み立てる方法がSTARフレームワークということになります。
STARフレームワークの中身
STARは四文字なので、4章に分けて書くと思いきや、実は3章です。
1.Situation or Task / 2.Action / 3.Resultsです。
リクルーターからもらった資料が英語なので訳していきます。
Situation or Task
Describe the situation that you were in or the task that you needed to accomplish. You must describe a specific event or situation, not a generalized description of what you have done in the past. Be sure to give enough detail for the interviewer to understand. This situation can be from a previous job, from a volunteer experience, or any relevant event.
過去に置かれた状況または、やり遂げなければいけなかったタスクを書き下す。特定のイベントや状況など、あなたが過去に実際にやり遂げた、独自性の高いものを選ぶ。面接官には十分な詳細をもって伝えること。
シチュエーションとタスクは同じようなもので併せて序章とします。実際にアサインされた具体的なプロジェクトやその背景、課題などを書き込みます。
人的リソースがない中で〜、みたいな書き方でも十分な課題となります。その限られたリソースの中で、あなたがいかに課題を解決したかをアピールするためのいい材料となります。
Action
Describe the action you took and be sure to keep the focus on you. Even if you are discussing a group project or effort, describe what you did — not the efforts of the team. Don’t tell what you might do, tell what you did.
あなたのとった行動を書き下す。あなた自身にフォーカスすることを忘れずに。グループプロジェクトの場合は、グループの努力ではなく、あなたがやったことを書き下す。やろうとしたけどできなかったことではなく、実際にやったことを書く。
実際に置かれた状況の中で、あなたが取った行動を伝える章です。
Result
What happened? How did the event end? What did you accomplish? What did you learn?
結果として何が起こったのか?その出来事はどのように終結したのか?あなたは何を得たのか?何を学んだのか?
終章は結果です。数字的な結果が示せるものは、しっかり数字を書きましょう。
定性的な結果の場合でも、できるだけファクトを持って伝えるようにするか、学んだことを書けばOKです。
STARフレームワークを使ったサンプル
想定される質問に対して、STARフレームワークをもとに書き下していきます。
アジャイル開発のスプリントを管理するプロダクトマネージャーを想定して書いています。
(質問サンプル)
仕事で困難に直面した時に、どのように解決に導きましたか?
(回答サンプル)
Situation (Task)
プロダクトマネージャーとしてアジャイルプロジェクトのスプリントのリードを行っていた際に、人的リーソスの不足によって、開発が滞っていた。
営業は、優先順位の曖昧な顧客からのニーズをたくさん下ろしてきて、非現実的なタイムラインを引き、チームにとって大きなストレスになっていた。
Action
通常のスプリントMTG以外に、営業とのウィークリーMTGを新たに設定し、顧客からの要望の優先順位付けとスケジュールについて綿密なすり合わせを行うようにした。また、チームメンバーをMTGに同席させることによって、営業からの一次情報を取得させ、さらに直接意見交換できる仕組みを作った。
Results
タスクの優先順位がより明確になり、スケジュールも現実的なものになった。また、スケジュール管理に対する透明性が増し、チームメンバーの不満が低下した。むしろ、意思決定プロセスに関与できるようになったことによって、それぞれがスケジュールに対する責任の意識を持つとともに、進め方に対する提案なども生まれてくるようになった。
スケジュール問題は1ヶ月のうちに解決し、スプリントの総ベロシティも向上したため、より多くのタスクを効率的に回せるようになった。
という感じに書きます。
上の例は割と一般的なので、自分の経験ベースで語るときは、もう少し具体的に書くと、オリジナリティが増します。
面接は、口頭コミュニケーションなので、上のようなエピソードを2〜3分でまとめると、聞き手にとって聞きやすいエピソードになります。
人を管理できるマネージャーレベルの採用では、過去のメンタリング・コーチングの経験を聞かれることもあると思うので、そのサンプルも書いておきます。
実際LAの会社の面接で聞かれた質問です。
(質問サンプル)
What kind of managing people experience you had?
これまで人を管理してきた経験について教えてください。
(回答サンプル)
Situation (Task)
COE(センターオブエクセレンス)というヘッドクオーターのデザイン組織で、リードデザイナーとして8名のチームをリードしていた。
チームのミッションは、100を超える事業部のUXやクリエイティブのクオリティの品質をあげること。社内コンサルタント的な立場なので、入社歴に関係なくひとりひとりがプロフェッショナルとしてふるまうことが期待されていたが、新卒の若手メンバーのスキルとマインドセットの育成が急務だった。Action
イノベーター気質のポテンシャルをもつ新卒が多かったので、彼らの口から自発的にミッションを語らせるべく、チームのミッションを設定するワークショップを行った。また、デザイントレンド、ビジネスの話、プロトタイピングツールの使い方などをシェアする共有会を週一で設定し、お互いが一人のプロフェッショナルとして、それぞれの知見をシェアする機会を設定した。
また、ひとりひとりの興味や強みにあわせて、キャリアについてのメンタリングを行うようにした。Results
定性的な結果になってしまうが、チームメンバーが自分の興味のある分野を中心に、自主的にスキルや知識を学んで、自ら成長しようとする姿勢を見せるようになった。
事業部へのクリエイティブコンサルティングにおいても、各々が自信を持って取り組むようになり、インシデント率が下がった。
営業とか、具体的なKPIが設定されている部署は、定量的に結果を語った方がもちろん説得力があるので、そこは状況に合わせてカスタムしてください。
もし定量的な結果が伝えにくくても問題なしです。人のマネジメントって正解がないところだから、結果よりも、その時の問題・状況に対して、自分がどう考えて、どう動いたのか?ここをしっかり話せると、めちゃめちゃ感触がいい。
まとめ&おまけ
このSTARメソッドを使って20問くらいの質問に対する自分なりの回答を書き下していきましょう。
そうすれば自然と、言いたいことをシステマチックに伝えることができるようになります。
練習あるのみです。
ただ、勘のいい人は気づいたかもしれません。
どうやって書く(How)
より
何を書くか(What)
の方が重要であると。
その通りです。
いくらSTARフレームワークを活用して、システマチックにストーリーを伝えられるようになっても、その内容が面接官の聞きたい内容に合致していなければ、ただのどうでもいい昔話です。
面接官の心にヒットする回答を生み出すための秘訣が他にあります。
こちらの記事「面接官が聞きたい自己PRを伝えるコツ」で紹介していますので、気なった方はぜひ読んでみてください。