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2020.10.08 Thu
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キラキラした目で2倍の値段で水を売ってきたグアテマラの子供は果たして悪なのか?

中南米をバックパック一つで旅行していたときのエピソードを話そうと思う。

人を騙すことは果たして悪なのか?について考えるきっかけになり、たどり着いたひとつの真理の話である。

私が海外旅行に行く理由

それは、自分が囚われている要らない常識や価値観を解体するためである。
だからバカンス気分でビーチでだらだら過ごしたことは一度もなく、毎回修行のような旅をしている。

私は30歳で遅咲きの海外デビューを果たして以来、この6年間で50ヶ国くらいの国を回ってきた。

ピンは実際に足を運んだ街

海外デビューを果たす前までは、趣味海外旅行とか言うやつ胡散臭!と思ってしまうような奴だったのだが、カナダに1年間住んで、南米を2ヶ月間バックパックしてみてからは、自分が囚われている価値観がどんどん解体できる海外旅行にハマってしまった。

英語が話せるので、同じドミトリーに泊まっている旅行者に人生の話を聞いたり、ローカルの人も英語を話す人であればいろんな話を聞かせてもらっている。

特に、中東やアフリカなどは、日本やヨーロッパとは全然違うので、本当に刺激的である。世界は広くて楽しいなー♪と、足を運ぶたびにウキウキである。

中南米あるある

初海外のカナダは先進国なので、モノやサービスの値段は決まっているし、ふっかけてくる人にも出会わなかった。

しかし、バックパッカーのデビュー戦で訪れた南米のペルー、ボリビア、チリでは、値段をふっかけられることも多く、その度にモヤモヤしたものだ。

中南米はまだまだ発展途上で、人々はたくましくて、むきだしで、鋭くて、そして本能的に生きている。スペイン語圏なのも影響しているかも。

街を歩けば、チーノ(中国人!)とフレンドリーに声をかけられるが、実のところ地球の反対からきたアジア人なんて、中国人か日本人かわからないし、別にどっちてもいいと思っている。金は持ってそうだから高い値段で買ってもらおうか、そう思っている人も中にはいる。

  • 現地の人はタバコを1ドルで買えるのに、言い値で4ドルで売ってくる。
  • メキシコではフェリーの値段が、前に並んでいる現地人と違う。
  • マチュピチュへ行く電車の値段は、外国人だと現地人のほぼ倍である。
  • キューバは外貨獲得のために国が外国人用の通貨を発行している。
  • タクシー強盗、ケチャップ強盗、写真撮ってくださいスリ という名物ワードがある

中南米あるある。

もちろん全ての人が値段をふっかけたり、騙してくるわけではないが、けっこうな頻度で起こるし、起こるたびにムカついていた。スペイン語はカタコトしか話せないから言い返すこともできないしモヤモヤすることが多かった。

2019年の夏に中南米8ヶ国をまわったときの話

2019年に会社を辞めて時間ができたので、久しぶりに中南米でも行ってみるか!ということでバックパック一つだけで遊びに行ってきた。

2ヶ月でメキシコ、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、エルサルバドル、ベリーゼ、パナマ、コロンビアの8ヶ国をまわってきた。

2ヶ月間のルート

最初の南米旅行からは、中東やアフリカなど様々な国を歩いたし、2018年の夏にも中米のメキシコを訪れていた。たくさんの悪意に触れる機会もあったし、それをいなしたり、回避したりする術も身につけた。叩き上げのバックパッカーに育ったという自負がある。

今回、中南米を周ろうと思ったのが、大好きなコーヒーを現地に行って飲んでみたかったからである。

そこで、コーヒーの産地として有名なグアテマラで、コーヒー農園が点在するアンティグアという街を訪れた。

ちなみにグアテマラは外務省の危険度レベルが2〜4とかなり高めなので、慣れてない人にはお勧めできない国である。首都で銃撃戦とか、拉致とか、普通に起こるらしい。

アンティグアの街は、国が全力をあげて外貨を獲得するために観光地化しているので、グアテマラの中では安全な街と言われているのだが、民家の窓は鉄格子というのがデフォルトである。

グアテマラ、アンティグアのローカル市場

このアンティグアの街で、明日の朝ごはんを調達しにコンビニに寄ったときのことである。

コンビニといっても、4畳半くらいのサイズの個人商店で、レジもなければ値札もない、いわゆる中南米仕様である。

水とバナナとアロエウォーターとスナックを手にとってカウンターに持っていく。

そこには、小さな6歳くらいの男の子と女の子が店番をしていた。

ちゃんと店番しててえらいなーと思った。

スペイン語の100以上の数字がいまいち聞き取れないので、電卓を指差して「クアント クエスタ?(いくら?)」と言うと、電卓に数字を表示してくれた。

詳しい値段は覚えていないが、確か7か8ドルくらいだったと思う。

これまでグアテマラの他のお店でも買い物をしていたことがあったので、電卓に示された値段がおよそ2倍の値段だということはすぐに気づいた。

やや怒りの感情を抱えながら二人をみると、ものすごく純粋なキラキラした目をして見つめてくる。そこに悪意は感じられなかった。

若干モヤモヤとはしたものの、何か気づきかけて、示された値段を払って店を出た。

感覚を解体してみる

宿に帰って、この複雑な感覚を紐解いてみることにした。

これは、よくやる一人問答である。すごいよマサルさんの一人脳内会議みたいなものである。感覚や違和感の正体を言葉によって分解していくという作業である。

2人のキラキラしたピュアな瞳

まずあの二人を思い出してみる。

二人の瞳には、人を騙してお金をふんだくってやろう!みたいな意図はなかったし、そういう雰囲気でもなかった。

むしろ、期待とか、ありがとうの意さえこもっていたように思った。

ちなみに、グアテマラの平均月収は3万円と言われている。田舎の町の商店の売り上げもそれほど高くないと思われる。だから、お金を多く払ってくれる人が現れたのならば、もしかしたらありがたいと思うかもしれない。

となると、あの二人から悪意が感じられなかったのは、ただ生きるためにしている行為だったからなのか。

なぜ自分は、値段をふっかけられると腹がたつのか?

それは、現地人は安い値段で買えるのだから、自分だけ高い値段を払うのは不公平な気がする。

そして、人を騙すのはよくないと思う。少なくとも日本では、そう教えられてきたし、コンビニなどで人を騙す人は皆無である。

値段をふっかけられて腹がたつのはもっともな正論っぽいが、違和感を感じる。

1、人を騙すことは悪いことだと教えられてきた
2、だから値段をふっかけられたりすると自動的に腹が立つ

腹が立った原因って、自分オリジナルの価値観じゃなくて、刷り込まれた価値観やん。パブロフの犬みたいな自動反応。

そもそも、人を騙すってなんだろう?

改めて状況を整理するとこうだ。

私の目線:少なくとも私は、倍の値段を示された時に騙されていると思った。不公平だとも思った。それは正義ではないとも思った。

二人の目線:お金を払ってくれる人から気持ち多めにもらうのは当然のこと。なぜならそれが生きる術なのだから。親からも褒めてもらえるし。

私目線では悪いことに思えるのだが、二人の目線でいうと別に悪いことでもなんでもない。

騙されたと思っていたのは、私の主観だった。

そうか、違和感の正体はこれか。
人を騙す=悪だと思い込んでいたのか。

結論:正義も悪も存在しない

人を騙すことは悪いことだと教えられてきたから、騙されたような事象が起こったときはモヤモヤするし、それは悪だと断罪したくなる。

でも、実際のところ、正義やら悪やらは、刷り込まれた価値観が生み出した、ただの主観であることに気づいた。

誤解のないように言っておくが、世の中には悪意のある行為もあるし、騙すと言うレッテルをつけるにふさわしいこともあると思う。それに私自身は、悪意を持って人からふんだくってやろうとか、そういうことに気持ち良さを感じないし、やろうとも思わない。

キラキラした目で2倍の値段で水を売ってきたグアテマラの田舎町の子供は果たして悪なのか?

タイトルに戻ってみよう。
あのキラキラしたピュアな目をした2人の子供は悪なのか?

悪でもなんでもない。
それは定義できない。

そもそも、水とバナナとアロエウォーターとスナックに、8ドル出していいと思えるのなら、ただ払えばいいだけである。それで商談成立。

すごく大切な気づきだった。
なんか、すごく肩が軽くなった気がした。

それからというもの、不思議と値段をふっかけられることが少なくなった、いやたぶん囚われから解放されて気にしなくなったので、それまでのように嫌な気持ちになるということが少なくなった。

むしろ、お水とバナナをわざわざ調達してくれて、売ってくれてありがとう♪
これで私は明日も歩くことができるよ。

と感謝の気持ちさえ芽生えるようになった。

ここ数年でも一番大きい自己解体の体験。

これだから旅はやめられない。

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